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「久世サン、どう……? きもちいい……?」
シンプルなラブホの一室。
間接照明のみが灯る薄明るい室内、熱に浮かれた野宮の声が小さく響いた。
別々に手早くシャワーを浴びてバスローブを羽織った二人。
ヘッドボードにクッションを立てかけて背中を預けた久世、その股間に深く顔を埋めた野宮。
半勃ちになったペニスに添えられた舌。
くっきりと括れたカリ首に纏わりつき、艶やかに剥けた天辺を甲斐甲斐しく舐め、吸う。
「ん……ぷ……」
大胆に口を開いて招き入れる。
硬さや太さを口内で念入りに確かめつつ、唇をきゅっと窄め、頭を緩やかにバウンドさせて舌上でしごかせる。
「ン……っ……久世サン……」
しんなり湿った茶髪を撫でられただけで野宮はまだ一度も触られていない自身を硬くした。
久世自ら浅く腰を上下させ、喉奥をやんわり突かれると、みるみる独りでに勃起していった。
「可愛いね、野宮さん」
バスローブに包まれた腰をビクビクさせている野宮の様に久世はかたちよき唇を舐め上げた。
「俺のペニスを美味しそうに頬張ってる野宮さんの顔、俺、好きだよ……?」
どんどん勃ち上がっていくペニス越しに当の持ち主と目が合って、野宮の腰はさらにビクリと跳ね上がった。
「あ……俺も……久世さんに見下ろされんの、好き……」
「俺のペニス、もっと強めに吸って?」
「うん……っ……ン……ッ、ン……ッ、ンンンン……ッ」
野宮は思いきり頬を凹ませて久世のペニスを吸った。
次から次に湧いてくる唾液をねっとり絡ませ、音を立て、言われた通り従順に。
「ンーーーー……っ……ぷはぁっ……っ」
「よくできたね、野宮さん……?」
「っ、っ……俺、もう……欲しいよ……ちょうだいっ……?」
「もう?」
顔を上げておねだりしてきた野宮に久世の両手が伸びた。
自身の先走りと唾液で溢れ返った唇奥に両方の親指がゆっくり突き立てられていく。
ふんだんに糸引く口腔を優しく掻き回される。
「我慢できない?」
「ぷぁ……っできな、ひ……久世サァン……んぷ……ン……ほひぃ……」
「じゃあ、今日は野宮さんからおいで」
久世の指まで美味しそうに舐めしゃぶっていた野宮はパチパチ瞬きした。
些細な戯れを中断させた彼がベッドに完全に仰向けになり、わざわざ手招きまですると、コクンと頷いてぎこちなく跨ってきた。
バスローブを脱ぐのもさぼって上向くペニスの頂きに尻をあてがう。
すでに物欲しげにヒクついている後孔に満遍なく濡れた亀頭がぬるりと擦れた。
久世の熱源に片手を添え、もう片方の手でアナルを拡げ、慎重に腰を落としていく。
「あ」
ツプ、と内部にめり込んでくる挿入感に勝手に声が出た。
「あ、あ、あ」
強く脈打つペニスが尻孔を抉じ開けて仮膣へ侵入してくる感覚に背筋がゾクゾク震える。
そのとき。
職場など普段の日常生活では成りを潜めている嗜虐心が煽られて、一切の躊躇もなしに、久世は……一思いに真下から野宮を貫いた。
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