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後日談オマケ-2

ダイニングテーブルに広げられた世にもジャンクなフードの数々。 「うわぁ、草だんごパフェうっま」 「野宮さん、甘いものから先に食べてるの」 「久世サンも一口、ほら、あずき乗ったウマイとこ食べてみて」 「ん。そうだね。甘すぎなくて食べやすい」 自宅とは言えナチュラルに「あーん」をやってのけるアラサー同年代カップル。 「でもストロングには合わないなー」 「からあげ、今こんなに種類があるんだね、バジルに甘辛チーズにワサビ」 「あれ、パスタ意外と辛っ、辛うまっ」 「カロリーすごそう」 「俺等もコレステロール気にしちゃうお年頃だよな」 「ロング缶飲みながらそれ言う?」 「はぁ、定時終わりで飲む酒サイコー過ぎる」 「それはよかった」 「久世サンゾーンもサイコー」 「光栄です」 「ストロング系からのロゼ、なんかまったりするなぁ~」 「見事に緑がない食卓だよね、適当にサラダ作ってこようか」 「えっ、もういいよっ、ここいろよっ、いっしょ飲んでよっ」 「うん、じゃあそうする」 「凛一はやっぱりロゼが合う~」 「……ずるいよ、野宮さん、最近酔ってるときしか名前で呼んでくれない」 「だって恥ずかしーし。でも凛一にはいつだって紘って呼んでほしーし」 「……可愛くてずるい人だな、紘は」 「むにゃむにゃ……なんでこの店では、このペイ、使えないんだよ~……」 久世は思わず吹き出した。 真夜中、テーブルに突っ伏して寝とぼけている野宮の締まりのない顔を肴にしてロゼを傾けていた彼は、おもむろに立ち上がる。 スーツを脱いでワイシャツ一枚だった野宮の背中にブランケットをそっとかけた。 「紘の隣、俺にとってもサイコーの居心地だよ」 翌朝、というか昼寸前、野宮は久世宅のソファの上で毛布に包まった状態で起床した。 「ふぉっ……もう昼……あ、シャワー入ってない……ハミガキしてな……」 二日酔いまでには至っていないものの、ソファで寝具に塗れてもぞもぞしている野宮を久世は覗き込んだ。 「おはよう、野宮さん」 「あ……おはよ、久世さ、」 「まさかこんな時間まで熟睡されるなんて思ってなかったな」 「あ……俺もまさか……ここまで爆睡するなんて……」 「とりあえずハミガキしてシャワー浴びようね」 「あ……ハイ……」 「で、野菜を食べて。カロリー消費のため今日は一日しっかり運動しなきゃね」 「あ……運動……ですか」 公園でバトミントンとか、屋内でボーリングとか、健全な想像を巡らせた野宮に久世はにっこり笑いかけた。 「野宮さんが泣いて嫌がっても続行、腰がへろへろになってもやめないからね?」 穏やかに柔和に脅され、ワイシャツ下から覗いていたお腹をつねられて、寝起き早々野宮は赤面する羽目に。 「……とりあえず準備体操がてらに、体、慣らしておこうか」 「わぁぁっ、だめっ、一先ずシャワー浴びさせてっ、自分自身が体たらくすぎて久世サンに顔向けできないっ」 「嫌がってもやめないって、俺、言ったよね?」 熟睡されての放置っぷりに呆れる反面、ありのままの体たらくっぷりを曝してもらえる悦びに目覚めた久世は、より毛布に包まってガードに徹底する野宮を抱きしめた。 「一日お風呂に入ってない野宮さんの匂い、癖になりそう」 「か、嗅いだらダメだって、ストップストップ! こんなの拷問だーーー!」 ちょいMな野宮の悲鳴はちょいSな久世の悪戯心を却って大いに刺激するのだった……。

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