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数年後

あの絶望から二年と少しが経ち、僕たちも今年から晴れて大学生となるのだ。僕は理系専門の大学に進み、将来は科学者になることが夢だ。志麻は工業の専門学校に進み、大工になるのが夢らしい。今は経験を増やすため、現場でバイトをしていて、以前より会う時間が短くなってしまったが、志麻の将来のためにも、僕は我慢をしている。僕は志麻の友人が経営しているカフェ『ル・ドルン』で、週三回のバイトをしている。  現在は二人で駅から少し遠いアパートで同棲をしている。普段は僕が作る朝食を一緒に食べる。その後は互いの大学に行き、夕方は互いにバイト、夜は僕は帰宅し勉強、志麻は日にはよるが現場で働いている。  今日は日曜日の朝十時。一週間ぶりに二人でのんびりできる日だ。 「りく~」  二人掛けソファに腰をかけ、テレビでバライティ番組を見ていた僕に、トイレから戻ってきた志麻が僕の足の上に座り、首に腕を回す。 「陸エネルギーがもう足りねぇよ~」 と、僕の首や唇に何度もキスをする。 「なんだよそれ。んっ」 「陸は俺エネルギー足りてんのかよっ」 「…足りてないよ」  志麻のおかげで、だいぶキスも上手くなった。舌を入れる高度の技術も今では容易いなのだ。 「んっ、ふぁ、んっ」 「んっ、んっ」  志麻のこのトロけた顔が僕は大好きだ。他の誰も見れない僕だけが見れる志麻。 「ふあ。上手くなったよなディープも」 「志麻のおかげだよ」  志麻に頭をポンポンとされると、気持ちがとても良い、そしてとても嬉しくなる。 「今日どおする?どっか行く?それとも、このままセックスする?」 「えっちしたあと、出かけたい」 「欲張りだな~。そゆとこ好きだけどよ」  今度は志麻からキスをされる。  最近の志麻のプレイは、焦らしが好きみたいだ。キスや身体中を舐めるだけで、全然お尻も僕のモノもイジってくれないのだ。僕が頼まないと入れてくれないし。でも、頼むと志麻は喜んで頭をポンポンとしてくれる。 「どおしてほしいか言ってみ」  ローションだらけになった僕のお尻をさすり、僕の目を見た。 「僕の、お尻に…志麻のおちんちんを入れて」 「よく言えました」 そして、頭をポンポンとされる。  志麻のモノも大きくなっていて、でもローションのおかげでスルリと入った。 「ああぁぁあ…」 「んんっ、あぁ。大丈夫か?」  今日は後ろからで、志麻の顔は見えないがいつも入った時に聞いてきてくれるその言葉で安心した。 「うん。早く…お願いっ」  志麻はその言葉を聞いて、腰を動かし出した。ソファの背もたれにしがみ付き、志麻の名前を何度も呼んだ。 「どおした?…痛いのか?」  息が切れながらも、僕を心配してくれる。 「志麻ぁ、僕の…名前も、呼んでぇ」  顔が見えない分、自分だけ舞い上がってるんじゃないかと少し不安になるから。 「陸!中に出して良いか?陸っ」  速度が一変し、何度も何度も奥に突かれる。 「いいよっ、早くきて!」 「んんんんっっ!」 「あああぁぁぁああ」  ソッとお尻から抜かれると、お腹の中に出された志麻の液体が流れ出るのが分かる。腰が抜けてしまった僕をゆっくりと抱きしめてくれた。 「愛してるよ、陸」 「僕も愛してるよ、志麻」  僕らは濃厚なキスを交わした。

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