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第11話
いちと恋人になり、10年が過ぎた。今では恋人ではなく夫婦だ。いちの両親にはすごく怒られたが、いちの主張が通りそれにより認められた
僕の両親は、僕の成長に驚くと同時に、謝罪の言葉をくれた…。父さんと母さんの間にあった溝も少しづつ埋まり、関係が修復されつつあった…。
「そういえば、いち。あのとき、人殺したの?なんで?」
「あれは俺じゃなくてお前。お前、今は治ったけど、少し前まで二重人格だっただろ?もう一人の方がやったの」
「その後は?」
「俺の親父が揉み消してくれた。幸い、殺してしまった人は独り身で家族もすでに他界していたからな……」
あのときは本当に申し訳ないことをしてしまった…。いちと付き合い始めてすぐに彼から聞かされたのは、僕が二重人格だった事だ。
あのときは驚いたが、同時に納得もした。いちは僕のことを支えるために医学を学び精神科医になっていた。
「…ねぇ、いち。彼のお墓どこかな……」
「場所なら知ってるぞ?どうした?急に…」
「償いにならないとは思うけどこれから毎日お墓に行って謝ろうかなって」
「なるほどな。俺も一緒に行くよ。二人で一緒に償おう…」
いちと僕は互いに依存している。
犯してはいけない間違いを犯してしまったが、もう二度と間違える事はない。
罪を共に背負いながらも幸せに暮らしている。
あの日、狂ってしまった運命と共に……
fin…
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