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第10話
俺の家は俗に言うお金持ちの家だった。代々家は長男が継ぎ、女性と結婚し子供を作り、次の世代へと繋げていく。
勉強、スポーツ、芸術、マナー…、色々な事を完璧にこなせて当たり前。
そのため、どれだけ頑張っても褒められることはなく、また俺は次男だったから両親に見向きさえされ無かった…。
幼馴染の優と出会ったきっかけも、家から逃げたくて公園に行った日がきっかけだった。両親はそんな俺に呆れていたが、優との交流が認められた。
無邪気な優の笑顔が見たくて、俺はなんでもすると優に誓った。そのおかげか、優は俺に依存している。俺もまた、優に依存していて、少しでも彼の姿が見えなければ不安になる
彼に話しかける人間を消したくなるし、彼を閉じ込めて監禁し、ずっと二人でいたいとも思う
いつ告白しようかと思ってはいたが、殺しを見てしまい、今の優には心の余裕がない事は明らかだ。そんな彼に告白するのは違う気がしていた。
それに俺自身、優が人を殺したところを見てしまった時。死にゆく人に、あり得ないほど強く嫉妬心を抱いたことを覚えている。
その感情が俺は怖かった……
そんな矢先、優からの告白を聞いた俺は、頷き彼を手放さないと神に誓い、告白を聞き入れた
もうこれ以上、"優を俺のものにしたい" と言う気持ちに嘘をつく事など出来なかった…。
あの日から、俺は後戻りできないほど強く優を愛してしまったのだ…。
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