それからというもの、奴は童貞というコンプレックスから解放された反動か、ナンパした女を次々とホテルに連れ込んでいるらしい。 「ヤバいっすよ、マジもうすぐ百人斬りだから！これも全部兄さんのおかげっすよ！」 相変わらず店で奴に会うけど、あの夜以来俺のことを誘うこともないし、どちらかといえばナンパの武勇伝ばかりを聞かされてる感じだった。 別に誘われたいとか誘われたくないとか、そういうわけじゃないけど、なんていうかアレだ。 （なんか俺惨めじゃね？） 思うけど、悔しいしまた奴が調子に乗るから、決して口には出さないのだった。 終。