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第26話

とにかく俺の奥深くまで突き入れてくる力強さに、組み伏せられたままどうしようもなく奴の体にしがみついた。 喘ぎ声なんか女みたいに裏返ってて、自分でも「なんて声だしてんだ」って思うほど。 稚拙な突き上げにも体は喜んで、喘ぎながら奴のを締め付けていった。 「やっぱ兄さんの声ヤバいわ、すげー気持ちよくなる」 そりゃあどうも。口にも出せないほど頭の中がぼんやりしてくる。 「やべ、もー、無理、イく」 突き上げがより一層激しくなる。 俺の体はすでに限界近く、激しさの途中で一気に絶頂を迎えそうになっていた。 「っ、ちょ、ヤバ、マジ締めないで、そんな」 「おれ、も、む、り」 奴の胸に縋り付いて果てる。引き締まったケツの中で、奴のがビクビクと震えるのを感じた。 途端、ぐずぐずの重たい体が、俺の上にのしかかってきた。 「ぅえっ!乗んな、乗んなマジで重い」 息も絶え絶えに訴えるけど、奴の耳には届いてない。 「はぁー……マジ、最高だった、すげー気持ちいい」 童貞卒業に浸っている。そのまま抱きしめられて、身体中にキスを落とされた。 「ありがと兄さん、マジおかげさんでした、もうこれで俺もチェリーボーイ返上っ!」 「……ああそう……」 「兄さんマジ感謝、気持ちいいし色っぽいし最高の初体験だった!ホントありがと!」 「はいはい」 男相手でもそう言うものなのかはさておき、本人が良いなら良いんだろう。 (どうでもいいけど、さっさと抜いてくんねぇかな) 俺の要望を口に出す暇もないほど、奴は感慨深そうに何度も同じことを言うのだった。

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