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第25話

「いだいいだいっ!なんで爪立てんの!」 「おっさん相手に訳わかんねぇこと言うからだろこのバカタレ」 ついでに頭を引っ叩く。 「兄さんツンデレすぎ」 不満そうに言うのもさておいて、こうなったら奴をイかすことに集中しよう。 北風と太陽の童話じゃなくても、こういう時は力技を繰り出すより、それこそ可愛く色っぽく振る舞うのが一番か。本当に不本意だけど、わざとらしくともそうするしかない。 心の中で咳払いし気持ちを切り替えて、奴のほっぺたを両手で捕まえた。そのまま唇を重ねる。 「どうでもいいから、ちゃんと俺のことを気持ちよくしろ」 唇をなんとなく触れ合わせたまま言う。 「イかせてみろ」 そのまま深く舌を唇に差し込み、舌を探り絡めるように舐めた。 奴も舌を絡めてきて、唾液でとんでもなくヤラシい音がする。 腰が動いて、また俺の中を突き上げてくる。俺の腰も合わせて揺れた。 「兄さんさぁっ、なんでそんな、急に変わり身すんのっ?」 少しずつ喘ぐ合間に、奴が囁いてきた。 「前、男とヤッたときも、そんなエロかったの、っ?」 「……さぁ」 知らない。ノッてたのはマジだけど、自分がどうなってたのかは知らない。 「多分、エロかったんじゃねぇの?」 言いながら可笑しくなって笑うと、だからその顔がエロいんだって、とあまり余裕無さそうに声を引きつらせていた。

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