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プロローグ-8

翌朝。 やはり彰太の姿はおらず、こっちが溜め息を吐くも、独り暮らし生活が再び始まった。 【遥斗】 『麻生~!おはよ!起こしてやったぜ!』 【麻生】 『つぶやき見たのか!(゜ロ゜) おはよ!わざわざ、ありがとな!』 【遥斗】 『どういたしまして!学校行ってらっしゃい!』 遥斗とのチャットは、めちゃくちゃ楽しい。 気が合う上に気兼ねなく話出来るし、他のSさんと違ってめちゃくちゃ楽しい。 いつか一緒に電話することを約束して、俺は学校へと向かう。 学校と言っても、俺は看護大の大学生。 これから実習も増えるだろうし、なんせ国家試験の対策もある。 学生として学校へと通う日数も少ないと痛感すると、ふと俺は虚しくなってきた。 俺……なにか楽しいこと、したっけな? いや、何もしてない───……。 【彰太】 「おかえり」 【麻生】 「え……は?」 学校終わり、家に帰ると玄関に待ち構えていたのは……彰太。 絶対どこかでほっつき歩いてると思ってたのに、なんで昨日今日真面目にいるんだ、雨でも降るのだろうか。 しかし改めて見ると彰太は……イケメンだ。 しばらく見なかったせいもあってか随分と大人っぽくなって、元々身長も高かったし……なんだろう、ハンサムという言葉が似合う。 【麻生】 「……なんでいるんだ?」 思わずぽろっと口から溢れてしまった。 でも彰太は嫌な顔1つせずに答える。 【彰太】 「もうやめようと思って」 【麻生】 「……女遊びを?」 【彰太】 「ちげぇよ。男。 俺アッチ系だし」 ……今さらっとすごいことをカミングアウトされた気がする。 でも彰太の性格なら偏見なんて気にしないのかもしれない。 俺だってバイセクシャルだし、カミングアウトとか気にするし、そう思うとなぜか彰太のこと……羨ましく感じた。 【彰太】 「気持ち悪いか、俺のこと」 バツが悪そうに呟いた彰太の発言を否定するように、俺は首を横に振る。 【彰太】 「まあいい、安心しろ。 さすがの俺でもお前は恋愛対象として見ねぇよ」 ……それもそれでなんか、嫌だ。 いや、なんで俺嫌なんて思ってるんだ。 でも男遊びしたってことは絶対セックスしたってことだよな……? うわ、なんかそう考えると俺も意識してしまいそう。 だってるか様としてから一切してないし……。 欲求不満でもあるまいし……。 考えを切り替えるように心の中で気持ちをぐっと押さえつけると、彰太が俺のことを揺るがすような、衝撃的な一言を発する。 【彰太】 「けど、お前……穴使うんだな。 ノーマルっぽいのに」 【麻生】 「は……?」 【彰太】 「アナニー気持ちいいよな。 俺にも今度貸してくれよ、**製のいいローター」 俺の隠し持ってたローターがバレたってことは……こいつ、まさか部屋に入ったのか!? いや、ローターは他の器具と一緒に押し入れてるし、もしかしたら……。 恥ずかしさでぼっと顔から火が出そうになり、必死で弁明を考える俺。 【麻生】 「お、女に使う用だから……それ!」 【彰太】 「ほぇー……、彼女にアナルビーズなんて結構アブノーマルだったんだな」 【麻生】 「……あー、うん、そうそう! そういうのが好きな彼女がいてさー……」 認めてしまえば早いっていうのに、彰太相手に何を本気になってるんだ俺は。 いや、確かにあのアナルビーズは俺のものだし大好きだし気に入ってるけど……性癖の暴露はしたくないっていうか……。 俺、ほんと何がしたいんだろう? 【麻生】 「というか彰太、なんでわざわざ玄関で待ってたのか?」 【彰太】 「いや~、いい製品だからすぐに借りたくて。 ディルド借りていい?」 【麻生】 「……消毒しろよ」 【彰太】 「え、まじで?ありがとう」 こうして俺専用のオナニー道具は彰太と兼用になった……。 って、ちょっと待ておかしいおかしい! これから二人でシェアハウスしていく上で道具を借り合うってどんなルームメートだよって話! 彰太がいるっていうのにどうやって満足にすればいいんだよー……。 神様……助けて……。 俺まじで、どうなんの!?

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