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第67話

今は新武さんと寮部屋に向かってる。 しばらく沈黙が続いたあと… 新武『な、なぁ…?』 少し気まずそうに声を掛けてきた。 七瀬『なんですかー?』 僕は今まで通り、さっき起こった出来事が なかったかのように媚び売りモードで話す。 新武『さっきのお前…俺を見てへんかったよな。』 一番今話したくない話題を当然だろうが切り出してくる。 七瀬『…。』 新武『誰を…何を見てたんや…?』 そんなの言えるわけないだろ。 七瀬『…。』 新武『なぁ、シカトせぇへんでや…』 だんだん可哀想に思えてきたので答えてあげる。 七瀬『パニックを起こしてただけですよー。』 軽い感じで返事をすると否定される。 新武『…あれは、パニックの領域じゃあらへん。』 どうして踏み込んではいけないと分かっていて、僕の中に入ろうとするのか。 七瀬『新武さん… 僕はあの時なにか叫んでいましたか? でしたら、死ぬ気で忘れて無かったことにしてくださいね。』 にっこにこの最高の笑顔で言う。 これはお願いではない、命令だ。 新武『無理やけど他言はせえへん。』 そんな新武さんに思わずため息が出る。 そんな話をしてる間に寮の林道の部屋につき、 ノックをした。 コンコンッ 八尋『はい…』 ガチャッ 新武『八尋…』  七瀬『林道君、大事な話があるから来てね。』 親衛隊の子たちはある程度はいい子だ。 だから僕はあの子たちを信じる。 まぁ、証拠はあるけどね。 ずっとボーッとしてたわけじゃないし。 林道の件は、放送で呼ばれて殴られる前から知ってて、証拠集めしていたのだ。 覚悟しててよ…?

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