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第89話

七瀬『…元彼なんですか。』 乱菊『あぁそうだよ。』 そっか… 元カレ、そう聞いて冷えていく心。 何でか分からないけれど、ここから消えたい。 でも、腰が… どうすることも出来ない状況に本人に聞いてみる。 七瀬『会長は明原さんと踊りたいんですか?』 僕の質問に即座に否定しようとしたらしい。 紅華『はっ?なわけっ…』 だけど僕の知らない何かがあるらしい。 乱菊『約束、忘れてないよね?』 約、束… 紅華『チッ…わかった、悪いな穂波。』 約束と聞いて僕に謝る彼。 …会長は元カレを選んだ。 さっきまで、あれ程に楽しかったのに… 僕が拗ねてたから? もう少し、大人しくしよう。 七瀬『…なら、僕は伴奏を担当します。』 やけにスっと口から出た。 榊『俺とは踊ってくれないわけ?』 この人の考えていることはよく分からない。 僕を励まそうとしているのかな? 七瀬『…はい。 伴奏申請、とおしておいてください。』 少し冷静になると立てるようになっていた。 そのまま立ってみんなに軽く会釈をする。 七瀬『それでは皆さん、さようなら。』 ガチャッ 紅華『穂波!』 もしここで呼び止めたとして、何か用があるのだろうか。 僕は呼ぶ声を無視して親衛隊室に向かった。

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