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第112話
後ろで息を呑むのがきこえた。
柳『…坊っちゃん‥…この刺青‥…いつのですか?』
七瀬『…三歳くらいかな。』
柳『坊っちゃんが"穂波"になる前って、
あの…"東郷"なんですか?』
あの東郷とは、東郷グループという世界のトップにいた財閥。
今はもう十年くらい前に解散している。
七瀬『…違います。東郷とは、僕が生まれた時から三歳までの親です。僕は隠し子でした。
そして捨てられて、また別の家族に拾われて…捨てられて、和哉さん…お義父さんに拾われました。』
柳さんには、そこだけ話した。
前の家族については詳しくは話せない。
柳『ッ…この刺青、放っておくんですか…?』
七瀬『消したいです。
でも、多分忘れさせないためにいれたのでしょうから放っておきます。』
柳『…なんで貴方なのでしょう…。』
柳さんは呟いたけど聞こえないふりをした。
柳『…終わりました、部屋に帰りましょう。
寝てても平気ですよ?おんぶします。』
七瀬『ありがとうございます…』
そのまま寝てしまい、目を覚ましたら丁度部屋に着いたところだったので、そのまま別れてベッドで休んだ。
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