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第114話
ガチャッ!!
七瀬『…はぁっ、…』
勢い良くドアを開ける。
紅華『…よぉ。入ってもいいか?』
七瀬『はい…』
部屋に入れると何を話すよりも先に、ベッドに寝かせられて。
紅華『柳さんと乱菊に少しだけ聞いた。』
七瀬『何をですか。』
紅華『…傷だらけでボロボロだってことと、何かに怯えてるって。』
怯えてる…か。
紅華『…この前の電話の時もそうだった。
…いや、あの時からか?』
七瀬『…』
紅華『…なぁ、ダンスの件さ、俺が悪かったけど、踊りたかった…穂波と。』
僕も会長と踊りたかった。
あの時、隣にいた明原さんが憎かった。
七瀬『…』
何も言えずにいると会長は話を続けた。
紅華『やっと、心開いてくれそうで、穂波の表情もたくさん見ることが出来たのに、また距離が離れてきてた…。
いつもの俺なら何にでも無関心で、冷めていたのに無性に穂波が気になって、会いたくて…謝りたかった。ごめんな…』
冷静を装おう、そう決めたはずなのに勝手に涙が溢れてきて。
七瀬『…ぅ…グスッ‥…』
紅華『穂波の事を沢山知りたい。』
僕も知りたい‥…けど、
僕のせいでまた誰かに被害が出て欲しくない。
怖い…
気が付けば体が震えていた。
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