121 / 124
第116話
泣きすぎて涙が枯れてきた頃
七瀬『…僕、和哉さんにも言ってないことがあるんだ。』
紅華『それは、言わなきゃならない事か?』
今はとても危険な状況だ。
それに僕はまた殴られたら体が持たないだろう。
僕は意を決して紅華に聞く。
七瀬『…僕の体、見てくれますか?』
そんな僕の言葉に眉を顰める。
紅華『お前やっぱり…なんか怪我してるのか?
ピアノ引いている時から、動きに違和感があったんだが。』
話すより見てもらう方が早い。
全部脱ぎ終わると相変わらず、僕の体には沢山の痣と傷があった。
紅華『ッ…お前それ、何があった。』
七瀬『…僕が言わなきゃいけないことに関係してるんだ。ダウンしてる僕を明原さんが見つけてくれて。』
七瀬『…この学校の人たちも危険にさらされるかもしれない。だから、会長にも義父さんにも僕の事を全部話すからついてきてほしい。』
紅華はゴクリと唾を飲み、僕に聞いた。
紅華『俺もいいのか?』
七瀬『会長だから、だよ。
僕の部屋に来てくれてありがとう。』
僕が笑いかけると複雑そうな顔をしていて。
その後服を着て、気まずい雰囲気で理事長室に向かった。
ともだちにシェアしよう!