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第99話バレンタイン7
埜
抵抗する中を無視して口内を舌で掻きまわすと、諦めたのか身体から力が抜けて大人しくなった。
角度を変えながら中の舌に自分のを絡めしっかりと味わう。
久しぶりのキスは甘く気持ちが高揚してたまらなく快感だ。
思う存分堪能してから唇を離すとチョコレート色の唾液が中の口をぬらぬらと光らせやたらエロい。
ゾクゾクする……
はぁはぁ息を切らしている中の顔は赤くて涙目になっていた。
「……埜の……バカ。風邪が!風邪、移るだろ……せっかく治るまでキス避けてたのに……」
………へぇだから今までキス避けてたわけ?
「……んなの知らねーし。ほら、今度は俺が中に食わせてやる。あーんして」
そう言いながら、チョコを摘まんで泣きそうな(つか泣いてる)中の口に放り込んだ。
そしてもごもご食べている中の唇をぺろりと舐め再び唇を重ねる。
また違う味のするキスを思う存分味わい。
うっかり親の存在を忘れるくらい中とのキスを堪能してしまった。
マジ!マジ!やりてぇし!!
すでに中はキスだけでヘロヘロになっていて、茹蛸状態でテーブルに突っ伏していた。
その頭を軽く撫で、サラサラな黒髪に触れる。
あー我慢できん。
「……今夜は俺、お兄ちゃんと一緒に寝たいなぁ。な、いいだろ?」
中の耳元で笑いながら囁くと、兄の身体がびくりと震えるのがわかった。
「俺、風呂入ってくるからさ?お兄ちゃんさきに俺のベッドで寝てていいぜ。後で今の続き……ゆっくりしような?チョコ沢山あるし、一緒に食べようか?バレンタインだしな。俺が沢山食べさせてやるよ」
エンジンがかかったらためらいはない。
親が起きてようが寝てようが関係ない。
要はバレなきゃいいんだ。
音を立てずに中にやらしいことをして、ぐずぐずにしてやりたい。
言葉では言えないけど、俺がどれだけ中の事を好きかわからせたいし愛したい。
後日しっかり風邪を移されたとしても後悔しない景森埜だった。
バレンタイン編 終わり
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