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第9話

兄からの大量の着信とメールに急いで家に帰った。 既に9時近くなっておりそっと玄関のドアを開ける。 「ただいま~」 小声で言い静かにドアを閉めリビングにいる家族に気づかれないよう二階にある自分の部屋へいきドアを開けようとしたとき 「遅かったな真木」 「!!」 恐る恐る後ろを振り返ると俺のすぐ後ろに兄が立っていた。 「に、兄ちゃん……」 兄の表情は冷たく、いつも優しい表情しか見ていないため余計に恐ろしく感じる。 「母さんと父さんは放っておけと言っているが俺は無理だ…… お前の教室に行けばお前はいないし一体何処で何をしていた? せめて誰と何処で遊ぶのかくらい言ってくれないと心配する」 「えっと………クラスメートといろいろ遊んでました」 ここで言わないとしつこく聞いてくるから開き直って正直に話す。 「ふ~ん…未成年で酒を飲むような友達? アルコールの匂いが凄いよ」 「……っ」 「これからは登校も下校も俺と一緒だ 暫くは遊びにも行かせない」 「は?嫌だよ!!何でそこまで束縛されないといけないんだよ」 高校生にもなって兄と行きともかく帰りも一緒で遊びに行かせないって流石に不満に思う。 すると兄が至近距離まで詰め寄ってきて壁に追い込まれ兄の手は俺の顔の真横の壁に押し付けられる。 所謂壁ドン状態だ。 「心配だからと言うのも勿論だが 俺がお前を好きだからだ 好きな奴には束縛したいだろう?」 「好きって……まるで恋での好きみたいな…」 すると兄は、は?と言うような表情をした。 「何を言っている!! 俺はずっとそう言う目で見ていたぞ!!」 「はい……?」 キョトンととんでもない事を言いやがった!! 今までのは全て兄として弟が大切と言うような兄弟愛だと思ってたからこの発言は衝撃的だった。

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