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第10話

「え?どういうこと?」 唖然とする真木は訝しげに兄を見る。 「そのままの意味だけど? お前を恋愛対象として好きだ 今まで言ってきただろお前は俺の嫁だと!!」 「いや…聞いてきたけど そんなん兄ちゃんの気持ち悪い戯言としか思わねぇじゃん!!」 「失礼な!!俺はいつだって本気だぞ これも何度も言ってるんだがな まさか伝わってなかったとは……」 いや、伝わっていない…… と言うかそれを聞かされてどうすればいいと言うのだ? そもそも弟に恋をする兄があり得ない。 「で、俺にどうしろと?」 「別に今すぐどうこうしろと言う訳じゃない お前の気持ちが俺に向いていないと意味がないし無理矢理振り向かせたくない ただ、他の誰のものにもなるな お前は俺のものだ 俺だけを見てろ」 そう言いながら真木の首に顔を埋めてギュッと抱き締めてくる。 「何それ…無理矢理振り向かせたくないって言うくせに俺だけを見てろとか言ってること矛盾してる」 「……そうだな」 いつまでもこの体勢のまま動かない兄に痺れを切らしトントンと背中を叩く。 「兄ちゃん……いつまでこうしてんの?」 「ん……ごめん…でもいい匂い… このまま食ってしまいたい」 「え?何?食うって何食うの? 俺は食べもんじゃねぇけど?」 「いや、そう言う意味じゃ無いんだけどな はは、まぁいいよ、やっぱり可愛いなお前は」 兄の言っている意味はよく分からないが 何だかこんなにも自分が愛されてるって考えると突き放せない… そんな兄が愛おしく感じ彼の背中に手を回そうとしたその時尻に違和感を覚えた。 ムニムニと揉まれる感覚… 「兄ちゃん…何してんの?」 「いや……我慢出来なかった……」 前言撤回今すぐぶっ殺してやりたい。 「ふざけんなこの変態!!」

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