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第76話

ぶちっと切れた音がし気が付いた時には 床に聖がうずくまっていた。 「……おい真木、流石にっ、ヤバいんだけど。」 腹を押さえて冷や汗を流す彼に何をやらかしたのか察したが、何をしたのかは覚えておらず少しだけ自分が怖くなる。 するとその時、だった 「おい、どうした?」 聞きなれた声が後ろから降ってきた。 「兄…ちゃん………」 「あれ…綾乃ちゃんと遊んどったんじゃなかったと?」 「俺が離れればお前が真木に手ぇ出すに決まってんだろ。 だからさっさと戻ってきたんだ。」 そう語る玲だが、この状況を見て何があったのか何となく理解した。 以前真木が停学をくらった時と被って見えたから。 「まぁ、見るに真木にやられたんだろうな。 ざまぁみろ、自業自得だ。」 「ははっ、まさかこんな反撃されるとは思わんかったな…… マジで死ぬかと思った…… つか、まだ動けねぇんだけど……」 そう言いながら笑ってはいるが本当に動けないようだ。 少し罪悪感を抱く真木だが、それを感じ取った玲に自業自得なのだから同情する必要はないと、むしろよくやったと誉められた。 暫くして漸く回復した聖は 仰向けになりああ、死ぬかと思った~と一つため息を着くと今度はこんなことを言い出した 「ああ、じゃあ、玲と一緒ならどうよ真木?」 「はぁ?」 その言葉に玲の目は鋭くなる。 「あはは冗談だって。 でも……」 そう言うと聖は起き上がり玲の顔に手を伸ばした。 だがその手は玲に振り払われる 「俺に触るな。」 「残念……玲は俺に堕ちてくれんし 真木からは一発殴られるし今は諦める。 これ以上痛い目みたくないけんね。 じゃあ。」 そう言って聖はこの部屋から出ていった。 この嵐は一体何だったんだ……?

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