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第78話
結局その後は聖もしつこく真木に付きまとってくることもなく帰る時が近づいてきた。
「真木俺はいつでも待っとうけん玲に愛想つきたら俺んとこおいで。」
「はぁ……」
本当にこの人の考えることが分からない。
そして綾乃は玲と中々離れないのが何故だかモヤモヤするし。
「綾乃ちゃんそろそろ離れてくれないと俺困るんだけど。」
「……じゃあ約束してくれるなら。」
「約束?」
「将来綾乃をお嫁さんにしてくれるって約束して!!」
「……………。」
その言葉に沈黙する玲。
そこはいいよって嘘でも言ってあげればいいのに大人気ない。
「玲お兄ちゃん駄目?」
「あ~うん………まぁ、綾乃ちゃんが結婚出来る歳になるまで俺を好きでいてくれたらな。
で、俺の性癖知っても引かないって自信あんならな。」
「せいへき?」
「ぶっ!!ちょっと兄ちゃん綾乃ちゃん相手に何変なこと言ってんの?」
何を言い出すんだこの男は?
「分かった!!綾乃頑張る!!」
何を?何を頑張るの?
そうしてこの騒がしいお盆は終わったのだった……
終わったはいいがまだ始まってもいないものがまだある事を今思い出す。
「なぁ兄ちゃん宿題終わった?」
「ああ、夏休みの初日に全部終わった。」
流石は兄だ。
自分はいつもギリギリまでやらないから結局終わらずに学校行く。
玲も手伝うとは言ってくれるが反抗心から今まで拒否していたが、
たまには素直になってもいいかなと思うのだった。
「兄ちゃん……宿題手伝ってくんね?」
「…………。」
「何で黙んの!?」
「いや、今日は素直だなって……ちょっとびっくり……いや、いいよ!!勿論。」
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