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第82話
結局『独りは寂しい』と言う言葉が胸に突き刺さり柏木の家に行ってしまった蓮条。
「お、お邪魔しま~す。」
「どうぞ、狭い家だがゆっくりして行ってくれ。」
リビングへ入りテーブルを見ると参考書やノートが端っこに積まれて置かれていた。
「そういやアンタ受験生か……
どこ受けんの?」
「一応○△大学。」
「嘘!!そこめっちゃ頭いいとこじゃん!!
てかなんでうちの高校なんか……」
そう聞くと少し悲しげに笑い家母子家庭だから母に負担はかけられないと答えた。
奨学金も考えたが結局将来返さなければいけないと諦めたのだとか。
「でも最近母さん帰りが遅くなったり帰ってこなかったり……その分持って来るお金も増えた
大学もお金は気にせず好きなところ行きなさい、だって……満面の笑みで言ってた。
多分男だろうと思う。それも金のある男……」
結構重い話しだが聞いて良かったのかと言うと
柏木がクスッと笑った。
「何でだろうな……こんなこと誰にも話したこと無かったのに……
僕は自分が思うよりも君を評価してるのかな?」
……………こんなことを聞いて正気でいられる男などいるだろうか?
「柏木。」
「何?」
「俺、お前のこと抱きたい。」
「は?」
蓮条はそっと柏木に近付き唇にキスをすると
突然のことで彼はは固まってしまった。
それを他所に蓮条は舌をねじ込んで
歯をなぞり舌を絡めて厭らしい音を立てる。
ようやく状況が掴めた柏木は抵抗するが
その手には力が入っておらず成すがままだ。
そしてそのままゆっくり床に押し倒す。
「ん……はっ……れん…じょう……」
「柏木……俺、お前のこと好きかも……
抱きたい……駄目か?」
「な、何…言って………第一俺は男だぞ?」
「だから?そんなの関係ない。
気持ちの問題だ……柏木、お前は俺が嫌か?」
「そんなこと!!むしろ………」
「じゃあいい?」
「…………」
「大丈夫……優しくするから。」
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