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……朝日に目を刺され、嫌々ながらも起き上がる。頭に残るのは……何時もと違う、温かな温度。 忌々しく思って頭を振る。 何の理由が在って、俺はこんなにも安心しているというのだ。 起き上がって、髪を搔き回す。 ……濃いくまと相まって、ただの俺ができあがりだ。優等生でも劣等生でも無く、教室の隅で周りを見詰めている、俺の。 苛ついて舌打ちをする。 カーテンを開けて、夏真っ盛りの空を睨み付けた。……嫌なくらいの青さで、俺を嘲笑う色。 俺がこの世で最も嫌いな色。 ぴりりりりり……。 突然の着信音に俺の肩は跳ねる。 枕元で充電コードに囚われたケータイを、俺は持ち上げて電話に出る。 「……こんな早朝から何の用だ、リク」 『あり、なんかレイト不機嫌? それよりも朝だぜ! 夏休みだぜ! 遊ぼう!!!!』 俺は無言でその電話を切る。 ……あいつの声を聞くと苛つきが収まる。それが、また不思議な話だ。そして、同時にこの事実は俺の心を搔き乱す。 俺は、龍空のことを信用してしまっているのでは無いか、と。 ……嫌な事だ。俺はもう、誰かを信用して傷付きたくない。だから俺は誰も信用しないことにしているのだ。 だから、安心する相手というのは居てはならないし居ては可笑しいのだ。 ……複雑だな。
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