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その後の話 『重陽の節句』3

 R18  月に照らされた洋月の象牙色の白く浮き立つ躰。ほっそりとした肢体と滑らかな質感の肌は、初めて抱いた時から私を魅了して止まない。  洋月のその大切な部分は、まるで神聖な飾りのようにすら見えてくる。じっくりと愛撫してやると洋月は小さく震え、小さな喘ぎ声と共に白濁のものを漏らした。  その滴る汁に舌を這わせて、じっくりと舐めとってやると、羞恥心で顔を真っ赤に染め、潤んだ瞳ですがるように私を見つめてくる。 「まだ触れるな……駄目だ……」  愛おしくて可愛くて、つい虐めたくなる。そんな存在で仕方がない。  菊の被綿で残りの滴を拭ってやると、激しく抵抗されてしまった。流石にあからさま過ぎたか。 「ちっ違うから、もうっ君って人はなんていやらしいんだ!」  その通りだ。私は洋月相手だと、どこまでもおかしくなってしまうようだ。  肩でゼイゼイと息をして、興奮が冷めない洋月に声をかけてやる。 「何か飲むか」 「あぁ喉が渇いてしょうがない。全く……君のせいだ」 「やれやれ」  水をと思ったが、ふと台の上に置かれた菊の花びらが浮かぶ赤い盃が目に入った。菊花酒がいいな。今宵は洋月を酔わせ、もっともっと乱してやりたい。 「今飲ませてやるから、そのまま寝ていろ」 「あぁ」  菊花酒を口に含み、一気に洋月の唇を奪う。 「なっ! んんっ」  私の胸に腕をあて押し返そうとする力を塞ぎ込み、洋月の口の中へ酒を一気に注ぎこむ。 「はうっ」  口を離すと飲みきれなかった酒が、洋月の血色が良くなった美しい唇の端から一筋零れ落ちた。その滴を追いかけるように今度は口づけを落としていく。  首筋を吸うように、喉を噛むように……その度に洋月の躰が小さな魚のように跳ねた。 「はっ丈の中将っ! 酒じゃないか! これっ」 「ふふっそうだよ。せっかく君がこんなに用意してくれたんだから、ちゃんと飲まないと」 「うっ」 「俺は君に飲んで欲しくて、用意したのに」  流石に虐めすぎたのか、少し涙目の洋月が不服そうに言う。 「大丈夫、洋月を通して私もいただくよ」  菊花酒をもう一杯用意した。洋月は私がそれを飲むと思ったらしく、躰の抵抗を緩め力を抜いた。その隙に洋月の脚をぐいっと大きく左右に開き、大事な場所を露わに見えるようにした。 「なっ何?」  びくっと躰を震わす洋月を諭すように、その細い太腿をなでてやる。 「……ここも渇いている」 「えっ! なっ! ああっ……やめろっ」  さらに腰の下に手をあて持ち上げ、大事な蕾にも酒を注いでやる。ドクドクと酒を吸収し、脈打つ蕾が私を早く早くと誘っているようだ。飲みきれなかった酒が、内股を伝い衣の上にひたひたと零れ落ちていく。 「もったいないな」  その部分に頭をずらし、洋月の脚の間に入り込み、ぴちゃぴちゃとわざと音を立てて、舌先で舐めとってやる。 「はうっそんな所に酒を……君っ……今日は……すごく変だっ」 「洋月、美味しい。美味しくてたまらないよ。私も酒に酔ってしまったようだ」 「馬鹿っ!」  酒を飲まされ、ぼおっとしてきたのか頬を赤らめた洋月はいつもの何倍も艶めかしい。もう我慢の限界だ。 「挿れるよ」 「ん……んっ」 「いいか」 「早く……もっと」  すでに力が入らない洋月の躰を開いていく。奥へ奥へ……洋月のそこは熱をもって私を誘ってくる。 「あっ、あっ」  奥を突くたびに、洋月の目からぽろぽろと涙が零れ落ちる。 「痛いか」 「違う……気持ちよくて……熱い……いつもより熱いんだ」 「あぁ私も感じるよ。熱いな。酒に酔った洋月はすごく淫らで美しいよ」 「もう言うな。それ以上……恥ずかしい」 「洋月を通して、私も菊花酒を飲んでいるよ。すごく締め付けてくる。今日は特に」 「それは、君のせいだ」  私を見上げる洋月の誘うような唇を奪えば、甘美な吐息に交じって酒の味がした。  重陽の節句か……  姫君の道楽な節句かと思ったがこれはいい。なんと私たちを酔わす宴なのか。 「もうそれ以上喋れなくしてやろう」 「んっーあっああっ……あっ……」  欲望のままに洋月を抱けば壊してしまいそうで、いつもどこかで我慢していた。でも今日はもう我慢できない。  酒に酔った洋月の乱れ方も激しく、蕾は熱を持ったように熱く柔らかくなり挿れた私のものをぎゅっと締め付けながらじわじわと誘ってくる。  大丈夫そうだ。今日は……  思い切って激しく抜き挿しして、奥を突いて、洋月を絶頂まで連れて行ってやる。もはや洋月のその整った口からは淫らな喘ぎ声がひっきりなしに上がり、意識を飛ばす寸前だ。 「まだだ! 一緒に」 「んあっ! 」  汗ばんだ背中を抱きしめ、躰をぴったりと重ね二人同時に上りつめた。 「あぁ……」 「はぁはぁ……」  力を抜くと洋月は限界だったのか、気絶するように目を閉じて眠りに落ちた。その口元は幸せそうに綻んでいた。そんな洋月の躰を菊の被綿で綺麗にしてやり、胸の中にすっぽりと抱きしめて、共に眠りに落ちていく。  今宵も月夜だ。  君が輝く時だな。  君と私、こうやって躰を重ね合い、思い分かち合い、命ある限りともに傍にいよう。  重陽の節句。  君との夢のような時間だったよ。 「重陽の節句」了 **** こんにちは!志生帆海です。 さてさて今日の更新…うぉ~(;^_^A なんだかいつもよりもずっとエロイ!!!丈の中将でしたね。 お酒のせいかな…洋月もすっかり酔わされてしまって~ 重陽の節句という名目で、ひたすら抱き合った二人は本当に幸せそう。 また日本の季節の行事に合わせてSS書いてみたいです。読んでくださってありがとうございました。

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