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 インターホンが鳴ると、僕は急いで玄関の扉を開ける。目の前には、将希がビニール袋を片手に携えて立っていた。  僕には到底買えなそうなカシミアのコートにマフラーを巻いて、寒そうにしている。  将希とは高校の時の同級生で、大学は超一流の私立大学という、僕には到底超えられない壁の向こう側の住人になってしまった。  すらっとした体躯に、整った顔立ち、氷の女王の様でクールな雰囲気がある。眼鏡をかけている事でより一層、知的な雰囲気が増している。なにより、僕より大人っぽい。  そんな頭脳明晰、眉目秀麗な将希は告白されまくっているのに、彼女を作っている姿を見たことがない。 「あのさ、寒いから早く中入れてくれないか?」  将希の不機嫌そうな声に、僕は慌てて中に入る様に促した。  将希がコートを脱ぐと、白のワイシャツに黒のスラックスというシンプルな出で立ちの服装だった。将希が着ると、何処ぞかのモデルの様にも見える。  いつものように将希がベッドに腰掛けたので、持ってきてくれたお菓子やジュースを広げる。 「お前がもうちょっとお酒飲めるんだったら、こんな子供っぽいチョイスにはならないんだけどな」  軽い嫌味を吐きなが ら、将希が緑茶のペットボトルに手をつけた。 「あはは。飲めなくはないんだけどねー。将希が介抱してくれるならいいよ」  将希は面倒くさいと呟き、ため息を吐いた。  本題に入らねばと僕は、うずうずした気持ちを抑えきれず、将希の隣に腰掛け寄り掛かかる。  将希が何故か驚いた顔をしたが、構わず僕はスマホの画面を見せ付け、先ほどの出来事を熱弁した。

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