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兄弟どっちも興奮旅行!?ローターだらけの浴衣びんびん共有H!

「はぁー極楽だー」 「おっさんみたい、トモ」 「だってほんと極楽じゃ? はぁー。部活の疲れが癒されるー」 星哉と智章、高校生の年子兄弟は二人仲よく大浴場の露天風呂に浸かっていた。 二人きりの兄弟旅行、というわけではない、両親もいっしょの家族旅行、温泉旅館に一泊、ちなみに飼い猫の〇太郎は親戚に預けてきた。 「〇、淋しがってないかなー」 「いつもよりいいキャットフード食べてゴロゴロしてるって、〇のことだから」 「そだね」 「はぁー」 「何回ため息つくの、トモ」 「温泉サイコー」 白緑色のお湯を両手に掬って顔をバシャバシャする智章に星哉は笑った。 ごつごつした岩に囲まれた露天風呂には他の利用客もちらほら、小さいこどもと若いパパだったり、おっさんだったり、おじいさんだったり。 どこからか聞こえてくる鳥の囀り。 夕方前のまだ明るい空。 長閑だ。 「ごはん楽しみ」 「うん」 「夜も楽しみ」 「夜? なんか面白いテレビあった?」 また顔をバシャバシャして星哉の質問を智章はわざとらしくスルーした。 「おいっっ」 「うぉ。いつもより強めのツッコミ」 「なんで夜が楽しみなの。なんで?」 「ローター持ってきたから」 「は……っはぁ!?」 おっさんとおじいさんにチラ見され、星哉は上気していた顔をさらに赤くした。 「ばか」 「……なんで旅行にそんなモン持ってきたの? そっちこそどこまでバカなコなの?」 「しかもおにゅー」 「お……おにゅー?」 「しかも六コ」 「ろっろっろッこぉっ!?」 今度はばっしゃんばっしゃん温泉を泳ぐこどもにおっさんとおじいさんの視線は向けられていて星哉の大声は幸いにもスル―された。 両親、兄弟、別々の部屋に宿泊しているとはいえ。 旅先でわざわざ、そんな、盛る必要も。 「旅行だからこそ、じゃない?」 「……トモの変態」 そう言うおれも妄想したことはあるけど。 旅行の途中、サービスエリアのトイレで、とか。 もちろん人多くてムリ、不可能って、今日わかったけど。 ローター六コ? イミわかんない、一コでもいっぱいいっぱいなのに。 六コもあったら、なんかいろいろ、やばいことになっちゃうんじゃ。 「あ、星哉、妄想してる」 「えっ」 「もしかして勃ってる?」 「んなわけっ、まさかっ」 「えーほんと。ちょっと見せてみ」 「ばっばか……っあ」 「星哉、智章、なんで声かけてくれないんだ」 「うわッ、とーさん」 「ご、ごめんね、おとーさん」

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