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一通の手紙

沢山の遺体と、久我の遺体を葬った後。骨を拾い、寮に戻ると、真っ先に久我の部屋へと向かった。勝った事も忘れ、きっと今の俺は、魂が抜けた様に死んだ目をしているのだろう。足を引きずりながら、久我のベッドで横になる。  ふと気が付くと、机の上には一通の手紙が。 [ 鈴森 葉月殿 ]  そっと封を切り、中に入っていた二枚の手紙を取り出した。 [ 親愛なる葉月へ これを読んでるって事は、俺はもう死んでんだな。あと、お前はどんだけ俺のことが好きなんだよ。この手紙俺の机にあったろ。これを葉月自身が取ってんのかは分かんねぇけど、取ったとしたら、俺の温もり欲しさに俺の部屋まで来たってことだろ。お前はほんっとにツンデレだなっ。俺はあんま、手紙とか書かねぇから、筆が立つお前からしたら、変なとこも多いと思うが。そこも俺らしいと思え。あの約束があるから、お前は泣けねぇだろうが、今は思う存分泣け、周りの事なんか気にしねぇで泣け。ま、泣きたくねぇなら、泣かなくていいけどよ。あと、お前を抱くって言ってたけど、無理になったのと、お前だけ残してごめんな。俺がいねぇからって、孤独死すんじゃねーぞ。生まれ変わっても、俺は葉月を探し出して、今度こそ抱くからな!。変な男か女に引っかかんじゃねぇぞ!。  最後になるけど、俺は鈴森葉月を世界一愛している。だから、葉月も俺のこと世界一愛せよ。 葉月が愛してやまない久我蓮 ]  読み上げた頃には、形に出来ない気持ちが込み上げてきていた。意地張らずに『愛してる』って、もっと言えばよかった。今更後悔したって遅いのは分かってる。様々な気持ちが涙となって溢れ出てきた。  いつか俺もそっち行く時、今度こそ愛し合おうな。 「久我…愛してる」  小さく呟いたこの言葉、お前に届いているよな。

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