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もう1人の幼なじみ
自己紹介も終わって、授業説明も受け、教科書も受け取り、対面式もして、からの昼休み
と言っても、1年は今日は5限からは無く、ここで帰宅となる
10分休みでは足りなかったらしい女子達は、一斉に奏を囲んで質問攻めをしていた。
なんというか、可哀想に。
壁に追い込まれて、あちこちから声をかけられる奏は動物園の動物より見世物的で、同情する
やっぱり女子は奏の彼女事情が気になるらしくそれを重点的に奏を攻めていた。
俺も気になって、耳だけ傾けてたけど、女子の声しかしない。
見ると奏の口は動いてなくて答えてないらしい
そして、他にもう1つ。気になることが
自己紹介から優斗が話さない。
今は奏のせいで席に近づけなくて反対の女子の席に適当に座って頬杖ついてる優斗をみる。
優斗の事だから
「奏のせいで、俺のアピールがぁ!!」
「あの子いい感じじゃなぁい?
千聖、どの子好みぃ?」
とか何とか本人曰くおこ顔とか、本人曰くアヒル口?で言うんだと思ったけど、そんなことも無く、眉を寄せていた。
んー。優斗がこんなになるなんて、なんかあったのか?
「…………、優斗?」
「っ!あ、ち、千聖。え、あ、何?」
なんでそんなビビる。
そして何そのちょっとした期待の目。
「え、あ、何か黙ってるから」
どうしたのかなー?って。
「え?…………あ、なんだ。
どうもしてないよ。」
話し方が素に戻ってるし、なんだって何だよ
「…………。」
「…………。」
ん、気まずい。
「「あ、あのさ!「あれ?何か修羅場?」」」
俺と優斗に被さって、聞き慣れた声がした
バッと2人して横を見る
そこには、ヒラヒラと手を振って佇む礼がいた
「「……礼。」」
ナイスタイミングーーー!!!
「おお、千!優!B組どんな、って、わぁ!」
「礼!!!優斗が変なんだ!いつもくだらんほど喋るのに全然喋んないし!
「れー!!千聖がね?ヤバいの!まさかなの!そっちか!なの!どうしよー!
「くだらんほどって何ー!?!?!?」
「まんまだ!そっちこそ何がやばいんだよ!」
2人して礼に掴みかかって言う。
幸い女子も男子も奏の群れに注目していてあまり見られてはいなかった
「え?何これ。何が何で、どうしたの?」
礼は俺と優斗を交互に見ながら混乱してる
ギャーギャーと2人して言い合うのを礼が止める
「ちょっと待って!落ち着いて!」
「「ん。」」
「えっと、優斗いい?」
そう言って、礼は優斗を連れて教室を出ていった。
…………は?俺は?
なんだよ、それ!!!
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