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違う。
「……憂さ晴らし?」
1歩下がれば後ろの2人に近づいてしまうので、1歩も動けない。
「うんうん、…………そーれっ!」
ふわっと何かをかけられ、あっ。と思った時には気を失っていた。
「……ん、」
寒い……。…………暗い。
「あ、意外と目覚ますのはっや~。次からちがうのつーかおっ。………………えっとぉ?夏目君?だっけ?ご機嫌いかが??俺?俺は最高に楽しいよ~」
気が付くと俺に自由はなかった。
薄暗く不気味な雰囲気は不安を倍長させて、頭がクラクラするから正常な判断が出来ない。
痛む頭を抑えようと腕を引くとグッと後ろに戻された。どうやら手は後ろの窓枠に縛られていて、机に座らされているようだ。咄嗟に下を見ると、ボタンの弾けたシャツにズボンは履いておらず下着だけだった。足も、机の足に適度に動ける程度縛り付けてあった。
「ふふ!言ったじゃーん?憂さ晴らしって!だーい丈夫、ここ誰も来ないからね~」
冷たい机が体温を奪う。怖い。
「………、奏。……………」
情緒不安定だ。涙がでてきた。
「奏…」
何度呼んでも
返事なんてないと分かってる。
ただ怖い。自分がどうなるのか、何をされるのか。クラクラする頭で必死にこの状況を打破しようと考えても、何も浮かばない。
「…………へぇ?あいつ、奏って言うんだ??ねぇ、夏目君あいつと恋人なんでしょ?」
「…………」
「やっぱりー?あの感じは恋人っしょ!あ、安心して夏目君、俺偏見とか無いしー?かっこよかったよォ?恋人が傷つけられて颯爽と助けに来る。…………俺も喧嘩慣れしてんのに、あそこまで簡単に殴られるとか……ははは、くっそムカつく。」
窪田の纏う空気が変わる。
「さーてと。おーい、かいだー!薬打っていーよ~。やましたは用意しとけよ~。」
「うっす」
「もぅバッチリ」
少し視線をずらすと注射器を持った俺よりも2つくらい若くて元気そうなやつと髪を伸ばしたたくさんの道具を並べてる大学生位のやつがいた。
「はーい、チクッとするよ?あはは」
「……ヒュ、……いやっ、やめて!!………………あっ、…………え?嘘。あっ、あ、いや。」
「あーれ?かいだ、お前これ強いやつじゃーん?痛がる感じが見たいんだけど?」
かっと頭が熱を持つ。お腹や胸で何かが溜まってグネグネしている、そんな気持ち悪い感じがあるのに、全体的に当たる風も、足を少しずらした感覚もとてつもなく気持ちいい。
「大丈夫ッスよ~だって、ローション用意してないし~」
「え?まーじ?ははっ鬼畜じゃん。やました~?どうせやるんだろ~?」
「もちもち、
夏目君だっけ?もっと気持ちくなろーね?」
「あ、……いや、嫌だ。やめて」
「いーね!その目。虐めたくなる。」
ロン毛はナイフを出すと俺の下着を切り、そこを露わにした。
「なんで?なんで?」
「おぉーもうビンビンじゃん」
「イヤイヤ言って感じてんじゃーん」
「ここから薬入れるよ~」
目の前には細い棒みたいなの。
この流れでそれがなんなのか分かんない訳じゃない。
触られて熱を誇張するその穴にそれはまるで吸い込まれるかのように挿入された。
「いや、グッウェ…あ"ぁ…いっだ、痛い、痛い、いだいぃ」
「まだまだこんなんじゃないよ?
それに大丈夫ゥこれ中から液出てきてどんどん気持ちくなるしぃ?それにこれ」
ブウィーーーン、
「っ!!! ガッ!あ、あ、いだいぃぃ」
「振動付き~気に入ってくれたみたいで良かったぁ。あ!コックリングって知ってる?付けよーっと。これ取るまで射精できないね?」
「あっいたいぃ、とってぇ、奏~かなでぇ、助けて」
「あー、その名前すっげぇムカつく。次から呼ぶ度に酷いことするから。OK?夏目君??
それに呼んであげてもいいけど、こんなとこ見られて困るの夏目君でしょー?恋人はガッカリだよ?自分の恋人が襲われてるのにビンビンに起たせてる変態だなんてさぁ?」
「確かに!俺なら即捨てるわ」
「俺も!」
奏……が俺を捨てる?
「大体男だし?アイツなら女なんていくらでも……でしょ?」
ヒュっと枯れた息が出て胸が苦しくなる。女でもない。可愛くもない。それにこんな……。
「とにかく次、あいつの名前言ったら酷いよ?」
違う。違う。そんなことない。そんなわけない。そんな……。
どうして、そう言えないのだろう。
また涙が溢れる。なんで?
俺はもっと暗いものに飲み込まれて行った。
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