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第5話 君は誰?
「ごめんな、僕の代わりに・・・・」
「気にすんなよ。俺は平気だからそんな顔すんなよ」
佐伯心翔(サエキマナト)は泣きそうな顔をしていた。
心翔には笑っていて欲しい。
心翔と居れば俺も嫌な事を忘れられた。
でも心翔は俺の前から居なくなった。
母親が再婚するからと遠くに引っ越していった。
俺から光が無くなった。
中学1年の夏の出来事だ。
何?
人が居る。
誰?
「優(ユウ)ちゃん僕と同じクラスだね。」
この声は、俺が大好きだった心翔だ。
「心翔?転校したんじゃないのか?」
「何を言ってんだよ。僕は毎日声を掛けてたのに無視してたの優ちゃんじゃないか」
でも逆光で顔がよく見えない。
本当に心翔なのかな?
なんだか身長とか身体つきが違う気がするけど声は心翔だ。
だんだんとハッキリ顔が見えてきた。
そこに居たのはアイツだった。
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