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第2話 君は誰? Side心翔

俺は母親の再婚で中学1年の夏休みに前住んでいた街を離れた。 今とは違って体が小さくてよく小学生とか女の子に間違えられていた。 クラスの数名の男子には、容姿の事でイジられて泣いていた。 そんな俺を庇ってくれていたのが優ちゃんだった。 喧嘩が強くて弱い者イジメとか見て見ぬフリが出来なく何時も身体にすり傷やら青アザなどをつけていた。 「泣くな!心翔には、俺が付いてるからな!!」 「うん。ありがとう優ちゃん。」 そんな優ちゃんにお別れを言えないまま街を離れた。 優ちゃんの住所も連絡先もわからないままだ。 きっと今も優ちゃんは、誰かを庇ったりしてるんだろうな。 俺はそんな優ちゃんに憧れていた。 いつか優ちゃんに会えたら褒めてもらいたい。 『カッコよくなったな心翔!』 そう言ってもらいたい。 優ちゃんみたいに強くないけど今の俺なら胸を張って優ちゃんに会える。 それから何も言えないまま引っ越した事とか謝りたい。

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