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第7話 お付き合い?

「久遠、なんだ?」 日野が心翔の前に立ちはだかり言った。 「優月から手を離せ。」 日野が邪魔で見えないが心翔が怒っているような感じがする。 「はぁ?コイツ俺らのオモチャなんだよ。久遠は黙ってろよ。」 そう言うとシャクレは、掴んでいる胸ぐらから手を離し今度は俺の首を絞めてきた。 「くぅっ・・・。」 このシャクレ! 俺は首を絞められているから話す事が出来ない。 「久遠は、お友達の塚元(ツカモト)が居ないと何も出来ないんだよな?」 日野が嫌味みたいに言うと心翔が日野を押して退け俺の首を絞めているシャクレの腕を掴んだ。 「離せよ。高山。」 「イッ・・・。」 心翔が掴んだ腕を握る力が強いのかシャクレ・・・高山?の顔が苦痛に歪んだ。 「ゲホッ。ゲッホッ。ゲッホッ。」 高山はあまりの痛さに俺から手を離して目線は心翔の後ろにいる人物に向けられている? 日野達は心翔の後ろにいる人物が怖いみたいで後ずさりしている。 「心翔?そいつら何?」 「冬空(トア)任せる。譲に聞いて・・・。」 「えっ?俺よくわかんないよ?ただ日野達が悪いんじゃ無い?」 「わかった。」 譲くんのその説明で分かる冬空くんが凄いよ。 「優月。おいで・・・。」 「ゲホッ・・・。だ・・・ゲホッ・・・・。」 シャクレの癖に思いっきり首絞めやがって! あぁ〜声でねぇ〜。 『大丈夫だよ』って言いたかった。 心翔を安心させたいのに目に涙まで溜まりだした。 これじゃあ心翔が心配するだろ・・・。 「優月、歩けるか?」 声を出すのが今は辛いからコクコクと頷いた俺の腕を引っ張ると心翔は自分の腕の中に俺を引き寄せ抱きしめた。 「・・・⁈」 教室。 周りに人が沢山います。 心翔!マズイだろ。 男同士のハグ? 見なくても分かる気がする。 周りは固まっているに違い無い。 「優ちゃん、気を失ってるフリして・・・。」 耳元で囁く心翔。

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