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第6話 夏休み
僕が冬空くんとウサちゃんの方を見ている間に心翔が居なくなっていた。
「心翔?」
僕がキョロキョロしているとイキナリ後ろから肩を掴まれて海の中に沈められた。
ボコボコ。
「ゴボッ・・・」
誰?
『苦しいか?素直になれば痛くはしない』
怖い・・・嫌だぁ・・・・助けて!!
苦しい・・・・・。
そっか・・・・・夢。
僕は長い夢を見ていたんだ。
そうだよね。
僕は暖かな場所になんて行けないんだから望んだらダメなんだ。
「ゆっ・・・優ちゃん!!!!」
誰か僕を呼んでる。
「ゲホッ・・・ゲホッゲホッ」
「優ちゃん。ごめん」
僕は何が起きてるか分からなかった。
分かるのは海の中で心翔にギュッと抱きしめられていて心翔が少し震えていた。
「ゲホッ・・・心翔?」
「悪ふざけしすぎた。本当にごめん」
悪ふざけ?
海の中に沈められた。
「大丈夫だから心翔」
「気分悪くないか?本当に大丈夫か?」
心翔泣きそうだな。
「うん。大丈夫だから安心してよ」
心翔は、まだ不安なのか僕をギュッと抱きしめてくれている。
僕はそっと心翔の背中に腕を回して額を肩においた。
心翔の体温が心地いい。
でもさっきの何だったのかな?
イキナリだったからビックリして一瞬意識飛んじゃったんだな。
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