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第6話 文化祭 Side直
フワッと温かいものに僕の体が包まれた。
何?
「ゆづ君を助けてくれてありがとう」
西山先輩が僕を抱きしめてるの?
「ぼっ・・・僕は・・・・西山先輩を助けたかったんです」
優月君も助けたかったけど1番に助けたいと思ったのは西山先輩なんだ。
西山先輩は抱き締めていた腕を緩めて僕から少し離れると驚いた顔で見つめている。
「あっ・・・もど・・・ウッ・・・・」
戻らないとって言おうとしたら唇に何か柔らかいものが触れた。
さっきのオヤジとは違う。
「はぁっ・・・に・・・・ううん・・・・・」
くるっ・・・しい。
息ってどうしたらいいの?
苦しくて西山先輩の腕をギュッと握りしめると唇がゆっくりと離れていった。
「ごめん。イヤだった?」
「はぁはぁ・・・・・」
僕は何が起きていて息が出来なくなっていたのかを一生懸命に考えていた。
「あっ・・・・。キス・・・」
「キスした」
「キスは好きな人と・・・・ふっ・・・・・ヒクッ・・・・・」
好きな人としないとダメなのに僕はあんなオヤジにキスされた事を思い出してしまい身体中がガクガクと震え出した。
オヤジで男の人にキスされて・・・・。
僕の初めてがオヤジだなんて・・・・・。
ポロポロと目から涙が溢れ出して止まらない。
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