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第10話 動物園
レジャーシートの上にお弁当箱を置いて蓋を開けていくと皆んなが『おぉ〜っ』と驚く声が聞こえてくる。
「優ちゃん。何時に起きたの?」
「6時だよ。春子お母さんは5時から起きて下ごしらえしてくれたんだ。僕はやっぱり包丁とかがダメだからさ」
「包丁?」
直が不思議そうな顔をして僕に聞いてきた。
「直の手作りお菓子見せて?」
僕がどう話したらいいか困っていると心輝が直の服を引っ張ってお菓子を見せて欲しいと話を逸らしてくれた。
「うん。心輝甘いの大丈夫って言ってたから僕ね頑張って作ったんだ」
「ありがとな直」
「凄いね。クッキーとかケーキ屋さんとかで売ってるやつみたい」
直は少し顔を赤くして笑っていた。
「うわぁ〜。冬空君のサンドイッチだ」
「色々と作ってみた感じだな。初のもあるから味の保証は出来ないけどな」
相変わらずクールに話す冬空君の隣で目を輝かせてるウサちゃんが居た。
ウサちゃんも料理出来たのに今回は冬空君のが食べたかったみたい。
どれも美味しくて気づいたら全て完食していた。
やっぱり男だと食べれるもんだなと改めて思ったのでした。
「優ちゃん、海の時に料理できなかったからな。今度は俺と作ろうな」
「うん。楽しみだな」
海の時は心翔と一緒に料理が出来なかったから凄く残念と思ってたけどずっと傍に居れるんだから楽しみが増えたと思う事にする。
「僕、おトイレ行ってくる」
直が立ち上がった。
「じゃあ、直一緒に行こうよ」
他の皆んなは、お腹いっぱいらしくてもう少ししてから行くってだから2人でおトイレに向かった。
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