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第12話 動物園

「心輝が悪いから恨むなら心輝を恨みな」 どうして心輝が悪いんだ? 「村木さん、こいつらどうするんですか?」 リーダーみたいなのは村木って名前なんだ。 「心輝の彼女からヤるに決まってるだろ?」 村木は直の縛っている腕を掴むと床に仰向けにして寝かせた。 ヤるってまさか・・・マズイ。 「うぅッ!!!!!」 僕は必死に身体を動かして直の側に行こうとしたが弱そうな奴に肩を掴まれて止められてしまった。 「大人しくお友達がヤられるの見てなよ。次はお前の番だからな」 心輝・・・。 心輝を呼びつけて大切な人が傷付いてるのを見せるってワケかよ。 「これ、飲んでおきな」 直はガムテープを剥がされて何かを口の中に入れられたみたいなんだけどよく見えない。 「お前も飲めよ」 ベリベリとガムテープを剥がされた。 「バッカじゃ無いのか?僕らは男だよ」 「はぁっ?ふざけてんのか?」 「ふざけんてんのはお前らだろうが?直に何かを飲ませたんだよ。」 「男でもいいわ。友達が男に犯されてるって分かれば心輝も苦しむだろう?」 直がヤられたら心輝は苦しむ・・・それに直も・・・・・。 「直より僕のがいいかもよ?」 「なら、先にお前からヤッてやろうか?」 村木は僕の髪を引っ張ると上を向かせた。 「優月くん。ダメだよ・・・」 直が震える声で言ってくるが僕は、こんなの慣れてるんだ。 「直、気にするなよ。僕は大丈夫」 村木を睨みながら直に返事をする。 村木は鼻で笑うと勢いよく僕の唇に貪りついてきた。 抵抗する方が楽しいかもしれないが僕はこんなキスくらいなんとも無い直を守れるんなら傷だらけになっても表情なんか変えてやらない。

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