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第15話 動物園

バタバタと外から足音が聞こえてきた。 「残念。良かったね。助かったかもよお前ら?けど僕からだけどね。今来た人達が許してくれたらいいね」 僕は不敵笑うと踏みつけていた頭から足を離した。 「優・・・ちゃん」 後ろから心翔が僕を抱きしめる。 抱き締めている腕が震えていた。 「心翔・・・僕・・汚れ・・・汚れてるから・・・・・離して・・・・・ヒクッ・・・」 心翔に抱き締められると急に弱い僕が出てくる。 目から涙が溢れ出して止まらなくなる。 「汚れてないよ。優ちゃんは綺麗だから汚れてない」 心翔も泣き声だね。 「心輝!!!!!」 直の叫ぶ声を振り向くと心輝の方に向いている後ろに村木が居た。 心輝と村木の間に挟まれている感じといったほうが合っているかもしれない。 「えっ?」 床に赤い物がポタポタと落ちていて直が心輝に抱きかかえられるように立っていた。 「直!!!!!」 村木はスグにクマちゃんに取り押さえられたがでも直が・・・・・。 心輝に何か言って笑った直。 けれどその後はグッタリとして動かなくなってしまった。 「ま・・・心翔・・どうしよう・・・・・直が・・・」 お母さん。 僕を庇ってお父さんに刺された床一面が赤くなって・・・・・・。 「優ちゃん?大丈夫?」 僕が居なくなれば良かったんだよ。 そしたらお母さんが刺される事もなかったんだ。 「お・・・お母さん」 僕は小さい声で呟いた。 それから心翔の声が段々と遠くに聞こえていて僕はそのまま意識を手放してしまった。

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