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第2話 動物園 side心輝

「心輝」 直は駅の改札で俺を見つけると笑顔で走り寄ってきて俺にまとわり付いてくる。 子犬がじゃれついてるみたいで可愛くて俺は人目も気にせず直の頭に口付けをする。 『いいなぁ〜。あの女の子、私もあんなカッコイイ彼氏が欲しい』 と、女の子達がヒソヒソと話しているのが聞こえてくる。 すると、直はプゥ〜と膨れた顔になる。 どうやら女の子に間違えられるのが嫌なようだった。 「僕は男の子だよ。ねぇっ、心輝」 俺に抱きつきながら上目遣いで話してくる直は天然なのかと思えてくる。 男同士に見られていたら街中でベタベタと出来ないんだけどな直。 「直は直だから気にするな」 そう言って頭を撫でてやると顔を赤くして俺の腕に顔をすり寄せてくる。 コレって本当に自然体でしてるから怖い。 このまま押し倒したいくらいだ。 直の肩に手を置いた時に直の身体が俺から逃げようとした。 それから聞こえるか聞こえないか位の声で直が言った。 「イタッ」 それからの直の様子がおかしいかった。 何を話していても上の空で相槌はして来るが変なタイミングでの返事。 俺は我慢出来ずに家の近くにある公園へと直の腕を掴み連れて行こうとしたが腕を掴むとそれすらも痛がった。 俺には隠しているつもりらしいが何かあったのなんかすぐに分かるんだ。 俺も見えない所に無数に暴行を受けた後があったから直の様子からそれを思い出される。 「そこに座れ」 「でも、約束の時間」 「後から俺が謝るから直。とにかくそこに座れ」 俺は人通りの少ないベンチを選び直に座るように促した。

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