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第15話 僕は心配

「心翔、送ってくれてありがとう。また明日ね」 「またな優ちゃん」 夕方で帰り道が心配だと心翔が家まで送ってくれた。 けれど僕なんかより心翔のが心配なんだけど1回言い出したら聞いてくれないから僕は渋々家まで送ってもらった。 心翔に送ってもらう時、僕は家へ入る前に一度心翔の方を向くのが癖になっている。 心翔もそれを分かっているから僕が家に入るまで見てくれている。 「バイバイ」 「早く入れよ」 心翔が手を振る背後に白いワゴン車が通った。 さっき僕達を抜いて走って行ったワゴン車に見えたけど気のせいかな? 僕は心翔が笑って手をあげてるのを見るとそのままワゴン車の事を気にせずに家の中に入った。 やっぱり心翔ってカッコイイよなぁ〜。 心翔が僕だけのなんて今でも信じられないんだよ。 もし雑誌の女の子が男で彼女が僕なんて知られたりしたら周りはどう思うのかな? やっぱり僕が男だから皆んなが引くよね。 「優月君。遅かったね。顔が赤いけど大丈夫?」 「ただいま。大丈夫だよ直」 心翔の事を考えるとドキドキしちゃって顔が熱くなる。 どんなに心翔を好きかって分かっちゃうくらいに僕は心翔に夢中なんだ。 「もうすぐご飯だって・・・優月君、首にその・・・・・」 直が顔を赤くしていた。 「首?あっ・・・うん。ありがとう直」 心翔が今日はいつもより目立つ場所に印を付けていたから制服のシャツの襟では隠れなかった。 際どいところに付けるなら見えない場所にたくさんつけて欲しいな。 自分の部屋の鏡を見ながらそんな事を考えていた。

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