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第16話 僕は心配

ご飯食べてお風呂から上がると自分の部屋でベッドに横になりゴロゴロとしていると直が勢いよくドアを開けて入ってきた。 「優月君!あっ・・・久遠くん・・・知ってる?」 「どうしたの直?心翔なら分かるよ」 「あれ?じゃなくて・・・心輝から電話があって久遠君がまだ帰ってなくて優月君は知らない?」 「心翔が?僕を送ってくれて家の前で別れた。それから家に帰ってないの?もう11時だよ。心輝に電話してよ直」 ベッドから起き上がると携帯を握り締めている直に肩を掴み心輝に連絡して欲しいとお願いをしたのだ。 「僕、心翔に連絡しなきゃ・・・携帯電話」 「優月君。待っててね心輝に連絡するからね優月君!」 直の肩から手を離すとテーブルの上に置いていた携帯電話を持って履歴から心翔に通話をしてみるがすぐに留守番サービスの機械的な声が聞こえてくる。 「心翔・・・」 心翔がメールでもうすぐ家に着くって連絡くれて僕は電話してそれから・・・。 家の前って言ってた。 でも家に入ったかは確認しなかった。 「優月君。まだ帰って無いって言ってるよ。心輝にかわる?」 「あっ・・うん。かわる」 直が携帯電話を差し出すが手が震え上手く携帯電話が受け取れなくて声も震えて喉が渇いて言葉に詰まる。 心輝と話していても何を話してるか分からない。 心翔どこ? 心翔は僕の前から消えないよね。 「じゃあ、分かったら連絡してね心輝。優月君の側にいるからうん」 いつの間にか直が心輝と話をしていた。 心翔を探しに行かなきゃ・・・。 フラフラとドアを開けて部屋から出ると慌てて直に肩を掴まれ止められた。 「優月君どこ行くの?心輝が連絡してくるから家で待っててよ」 「心翔を探さなきゃ・・・心翔・・・」 「しっかりして!優月君。そんな優月君見たら久遠君が心配するでしょ?」 僕・・・。 心翔が僕を心配する? 違う僕は心配だったずっと不安だった。 「ヒュッ・・・」 「優月君?」 上手く息出来ない。 目の前が真っ暗になって直の声が遠くに聞こえる。 僕はそのまま意識を手放してしまった。

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