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第17話 僕は心配
眩しくてゆっくりと目を開けると僕を覗き込む人影がぼんやりと見え僕の額には手が置かれていた。
「ま・・心翔?」
「ゆづ君。気がついたか?」
僕の額に手を当てていたのは心輝だった。
どうして心輝が僕の部屋に居るの?
「優月君!」
「落ち着け直」
ボヤけていた視界がはっきりとしてきた。
心輝の隣には直がいて目が真っ赤に充血していた。
心翔は?
「心輝・・・心翔は?」
心輝の顔が歪み僕の額に置いている手は震えている。
「ゆづ君は熱あるから心翔の事は俺達に任せておいて早く治せじゃなきゃ心翔に俺が怒られてしまう」
心翔の事は?
ハッキリとしない僕の思考で意識をなくす前の出来事を思い出していた。
心翔がまだ家に帰ってないとか連絡があって・・・・・・。
「心翔は?まだ・・・帰って・・・・・あれ?」
起き上がろうとした僕は頭がクラクラして視界がグラッと揺れている感じになってしまった。
「ばっ、起き上がるな。ゆづ君の熱39度もあるんだぞ!」
「へっ?」
僕は横向きに倒れかけてベッドから落ちかけたのを心輝が支えてくれた。
「とにかく、まだ連絡取れないし心翔のお母さんに任せてあるから多分ゆづ君の時と同じで心翔のお祖父さんと叔父さんが動いてくれている」
僕をベッドに寝かすと心輝は頭を撫でてくれた。
心翔の手じゃ無いけど少しだけ安心する。
多分これは僕が西山冬樹に監禁されていた時の事があるからかもしれ無い。
あの時は心輝が僕の支えだったから・・・。
けど僕は心翔に会いたい。
会って抱きしめて欲しい。
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