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第20話 忘れてた誕生日

心翔は黙ったままだった。 心翔の中に僕自身を挿れるんだよね? どうしよう・・・そんな事を1度も考えた事なんてなかった。 いつも抱かれる側だったし女の子を抱きたいとかも考えた事なんてなかったから戸惑ってしまう。 「でも・・・は・・・初めてだから・・・心翔」 「分かってる。無理はしなくていい。でも嫌な記憶を優ちゃんで上書きしてもらいたいんだ」 上書き。 僕も心翔に抱かれる度に嫌な記憶は少しずつ無くなっていった。 心翔の気持ちも僕には分かるから僕にしかできない事だよね。 「分かったよ心翔」 「優ちゃんありがとう」 心翔は僕の胸に顔を埋めた。 やっぱり相手が僕でも怖いよね。

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