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第13話 初詣
神社は参拝の人達で華やいでいる。
出店とかたくさんあって社までの道のりは楽しいものだった。
僕はいつから神社や夏祭りとかに来てなかったんだろう?
しっかりと握られた手からは心翔の温もりが伝わってくる。
なんだか初めてのデートみたいで僕の心臓はドキドキとしていて空気は冷たいのに顔だけが熱く火照っていた。
「見て、白いコート着てる女の子と居るの久遠心翔君じゃない?彼女だよね?後ろにいるの西山心輝君と彼女?」
少し離れた場所から女の子達が僕達を見て騒ぎ出していた。
桃お姉様が白いコートを着て行きなさいと言ったんだけどお化粧して無いのに女の子に見えてるし彼女とか言われてる。
「優ちゃん、大丈夫?」
「あっ、うん。女の子に見えてるんだね」
髪伸びたから女の子に見えてるのかな?
確かにサイドは顎ラインまであって後ろはそれより少し長めだからショートカットの女の子に見えるのかもしれない。
後ろに心輝と女の子の姿をした直が居るから余計に目立つ気がしてきた。
心翔と心輝がいると周りが振り返ってすれ違うのが分かる。
やっぱり2人ともカッコイイんだよ。
「さっきから女の子が皆んな心翔を見てるね」
ヤキモチとか妬かなくても心翔は僕から離れないと分かってるけどやっぱり少し不安になる。
女の子は皆んな可愛く見えてくるんだ。
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