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第14話 初詣
心翔は僕の顔を覗き込むとニヤリと笑った。
どうして笑うの?
女の子に騒がれたりするのが嬉しいのかな?
「男の人は皆んな優ちゃんを見てるんだよ」
男の人が?
僕は女の子の事しか見ていなかったから気付かなかったけど言われてみれば男の人が僕の方を見ていた。
「言われてみればそうかもしれない」
僕は心翔の手をギュッと握りしめてさっきよりも心翔に寄り添って歩いた。
だって男の人達が僕を見る目があの地下室に来ていた男の人達と同じ様に見えたからだ。
そんな事を言えばきっと心翔は心配するに違いない。
「優ちゃん、俺から離れるなよ」
「うん」
心翔も何か感じたのか僕の手をギュッと握り返してくれた。
「後、少しで着くからな優ちゃん。参拝が終わったら屋台を見て歩いて何か食べる?」
「僕はイカ焼きが食べたい。後はフランクフルトとか食べたいよ」
「いいな、俺はたこ焼きとか食べたい。買って帰って家で食べるか?人が多いから食べながら歩くとか無理そうだし竹田が可哀相な気がする」
直は帯で締め付けられているから胃が苦しいと言ってたもんね。
「そうだね。家でゆっくりとしよう心翔」
皆んなの分の食べ物とか買って、春子お母さんは林檎飴が好きだからお土産に買って帰ろう。
やっぱり屋台とか見て回るのって楽しいよね。
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