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第15話 初詣
賽銭箱にお金を投げ入れて僕は願い事をした。
【今年もずっと心翔の側にいて2人で笑って入られますように】
僕の小さな願い事。
「優ちゃんは、何を願った?」
お願い事を終えて屋台に向かう途中で心翔に聞かれた。
けれど恥ずかしいし人に話したら願いが叶わないかもしれないから僕はブンブンと首を振る。
「教えないよ。だから僕も心翔のは聞かないもん」
「そっか、なら秘密だ。優ちゃんだから美味しい物がたくさん食べれますようにとかだろ?」
僕はそんな食いしん坊じゃ無いよ。
確かにさっきはイカ焼き食べたいとか言ったけどね。
口を尖らせてプゥッと頬を膨らませると不意に心翔の顔が近づいてきてチュッと軽くキスをされた。
「まっ・・・ちょっと周りに人が居るんだよ」
「大丈夫だよ。ほら周りの人見てないから平気」
そう言って心翔はもう一度僕の唇にキスをしてきた。
さすがに2回目は周りに気付かれたけど『いいな、かっこいい彼氏に私もされたい。』と言う感じの会話が聞こえてきた。
やっぱり女の子に思われてるんだね僕。
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