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第1話 お屋敷

あの日、心翔のお祖父さんと伯父さんが心翔の家に訪ねてきたその日から僕達4人はそのままお祖父さんと伯父さんが住んでいるお家に来ている。 お家? イヤイヤこれはお屋敷だよ。 部屋なんて雑誌とかテレビでしか見た事ないけど高級ホテルのスイートルーム並みに煌びやかで置かれている家具とか傷つけたら弁償出来ないくらい高そうだった。 部屋にはそれぞれバスルームとトイレがありベッドルームと部屋は別れている。 ベッドなんてキングサイズだよ。 伯父さんは僕と心翔を同じ部屋にしてくれて心輝と直も二人で1つの部屋にしてくれていた。 それにテレビとかも何インチ? 電気屋さんでしか見た事ない大きさでとにかく今までに見た事ないものばかりが部屋に置かれていた。 心翔は伯父さんと心輝と話をすると部屋から出て行ったので僕はソファに座り春子お母さんと冬斗兄さんの事を考えていた。 久しぶりに冬斗兄さんに会えたのにこんな形で家に帰れなくなるなんて寂しいよ。 電話したら冬斗兄さんは優しい言葉で励ましてくれた。 春子お母さんは凄く直を心配していた。 初めのうちは僕の心配もしてくれていたんだけどね話をしていくうちに直の話になって行ってそれから直の話ばっかりしていた。 春子お母さんは直を本当に可愛がってるから僕の事で危ない目には合わせられないよ。

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