660 / 903
第2話 お屋敷
コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
僕はソファから立ち上がりドアを開けると直がそこに立っていた。
「どうしたの?」
「お部屋にいたけど落ち着かなくて一緒に優月君のお部屋にいていい?」
「うん。僕も落ち着かなかったんだ。入ってよ直」
僕はドアを全開にして部屋に入るように直を促した。
「ありがとう。優月君」
「うん」
直はニッコリ笑うと部屋の中へ入って行って足を止めた。
どうしたのかな?
「直?どうしたの?」
「優月達のお部屋も凄いね」
「直達も?」
「うん。お屋敷とか普通に入る事ないでしょう?」
「そうだよね。あっ・・・・・僕あるかもしれない」
そうだ。
正臣の家も心翔のお祖父さん宅には負けるけどお屋敷だった。
「本当に!?」
「うん。こんな広いお屋敷では無いけどね。それでも僕にしたらお屋敷だった。正臣の家」
「あの藤咲君のお家もお屋敷なの?」
「心翔のお祖父さん宅よりは小さいけどね。取り敢えずソファに座って話そう」
僕と直はソファに座ると直は興味津々に正臣の家の事を聞いてきた。
こんな話を心翔の前では出来ないからね。
僕と直は心翔達が部屋に戻ってくるまで色んな話をしていた。
ともだちにシェアしよう!