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第3話 お屋敷

心翔も心輝も険しい顔をしている。 話を聞いても良いかわからないしどうしたらいいのかな? 「心輝、お話はどうだったの?」 心輝の腕の袖を引っ張りながら上目遣いで微笑んで無邪気に聞いている直。 険しい顔の心輝に聞けるの? 直、凄すぎる。 心輝に自然に話しかけてるしそれに、可愛すぎる。 普段も可愛い感じなんだけど心輝と話す時は特に可愛さが倍増している様に見える。 「優ちゃんも話が気になるの?」 「ひやっ!」 急に心翔が耳元で囁くから僕は思わず変な声を上げてしまった。 「いきなり耳元で話しかけないでよ心翔。ビックリして変な声出たよ」 「ククッ。ごめんな優ちゃん。そんなに驚くとは思わなかった」 必死に笑いを堪えている心翔に少しだけ頬を膨らましてムッとしてたら心翔はそれを見て笑い出してしまった。 もう、好きに笑ってよ。 でもさっき迄険しい顔の心翔と心輝はいつも通りの優しい感じに戻ってくれた。 直が心輝に聞かなかったらずっと重たい空気だったかもしれない。 けど心翔笑い過ぎだしね。 「もうっ、心翔なんて知らないんだから笑い過ぎだよ」 僕は側にあったクッションを持って心翔をバシバシと叩いていると直も心輝もそれを見てまた笑い出した。

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