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第4話 お屋敷
もう、心翔のせいで僕笑われちゃってるよ。
バシバシと叩いていると腕を掴まれてそのまま抱きしめられた。
「ちょっと、また恥ずかしいからやめてよ」
心翔の腕から逃れようとしてもがくけれど力が強くて心翔の腕から抜け出せない。
「ちゃんと話をするから叩かない?」
忘れていた心翔と心輝が何を話していたか気になっていたんだった。
話をしてくれるの?
「叩かないから離してよ心翔」
「分かった」
心翔は僕の頭に口付けをすると抱きしめていた腕の力を緩めてくれた。
でも恥ずかしくて直とかの顔が見れずに下を向いていた。
「あの、本当に話してくれるの?久遠君」
直が必死に心翔に聞いている。
心輝の事もあるからきっと心配なんだよね。
恥ずかしいとか言ってる場合じゃないよね。
僕も宮崎の事を知りたい。
「心翔、僕も聞きたいからちゃんと話して欲しい」
「分かった。心輝も話してもいいよな?」
心輝は無言で心翔の言ったことに頷いた。
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