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第7話 お屋敷

「もし、行く場所がわかれば心輝も優月君も鈴木君を助けに行くの?」 直が心輝の腕を掴み泣きそうな顔で聞いている。 心輝からある程度の話は聞かされていると思うけど直がどこまで心輝から聞いているかは分からない。 けど凄く心配しているのは分かるから・・・。 「助けに行くよ」 「でも、宮崎って人は酷い事するんでしょう?」 「それは・・・。もしかしたら鈴木君が今されているかもしれないんだ。早く助けださないとダメなんだ」 直の涙が頬を伝う。 直は、きっと行かないでと心輝に言いたいだろう。 それは心翔も同じだと思う。 監禁されていた時の僕の状態を見ている心翔は絶対に行くなと言うはず。 けれど関係無い鈴木君をあんな状態にさせれないという気持ちの方が心翔には強いんだと思う。 「僕は行くけどそれは心翔の伯父さん達に協力をしてもらう。宮崎は僕達が行っても鈴木君を正臣の元に戻してくれるか分からないからね」 「優月君。2人だけで行ったりしない?」 「しないよ。皆んなが心配するのは分かるから絶対しないよ。だから直も協力して欲しい」 「うん。僕が出来ることは協力する」 「ありがとう」 皆んなと力を合わせれば鈴木君を助け出せる。 僕も心輝もこの時はそう思っていたんだ。 正臣がお屋敷に来るまではね。

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