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第8話 お屋敷
正臣が僕達がいる部屋に通されてきた。
部屋のドアが閉まると同時にその場に座り込み泣き崩れてしまった。
いつも凛としていて動揺などしない正臣が泣き崩れている姿を初めて見た。
心翔の事があるからあまり僕からは正臣に近づけない。
でもそんな事を言っている状況じゃない事は正臣を見たらわかる。
「藤咲君、僕は竹田直。何かあったの?」
僕が戸惑っていると直が正臣の側にしゃがみ込んで話しかけた。
けど泣いているだけで正臣は何も言わない。
「藤咲君。泣いてると分からないし頼りないかもしれないけど僕達は鈴木君を助けるのに協力したいんだよ。しっかりしてよね」
直がハッキリと言い切るとか初めて見た。
正臣も直の発言にビックリしたのか泣いていたのが嘘のように涙が止まっていた。
「直、言い過ぎだ」
「言い過ぎじゃないでしょう?泣いてる暇なんてないんだよ。助けてから一緒に泣けば良いじゃん」
それはそうかも知れないけど内容によったら僕も正臣みたいに泣き崩れてると思う。
「すまない。見苦しいところを見せた。竹田君」
「見苦しくないよ。僕も良い方がキツかったかもごめんなさい。藤咲君はなぜ泣いていたの?」
直の質問に正臣がポケットから携帯を取り出して宮崎からの動画を見せてくれた。
その動画の酷さに直も泣いて正臣に言った事をひたすら謝っていた。
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