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第3話 もう少しで
けどムカついたからとパンを大量買いするのはどうなんだろうと僕は思う。
ヤキモチだとすぐ分かるパンの種類。
全部直が大好きなパンなんだよ。
食べれなかったら直に渡して持って帰るように言うんだ。
絶対に他の人にはあげない。
「竹田も気づけよ」
「ウサちゃん。何言ってるの?」
「ゆづさん、言わせてもらいます。心輝は、特定な奴から毎日とか頻繁に何かを貰ってないはずだ。それは竹田が嫌がると思ったんじゃないの?それにこのパン全部、竹田の好きなやつだろ?」
直はハッとしてウサちゃんの話を聞いてないふりをしてパンを食べている心輝を見る。
「龍、もういいだろ?竹田もわかったみたいだしな止めておけよ」
また何か言おうとしたウサちゃんを止める冬空君はやっぱり落ち着いていてカッコイイ。
冬空君を見ていると心翔が僕の顎を掴んで心翔の方に向かせる。
「よそ見しない優ちゃん。今、冬空をカッコイイとか思ってたろ?」
「へっ・・・ちがっ・・・・・」
カッコイイと思ったのは僕も冬空君みたいになりたいとかで決して恋愛感情を持ってカッコイイとか思ったわけじゃない。
好きなスポーツ選手を見たりタレントを見たりするのと同じで・・・・・・・。
絶対に恋愛感情じゃないんだよ。
「分かったから、涙目禁止」
心翔は顎から手を離すと僕の頭を軽くポンポンと叩いて微笑んでくれた。
僕はそれでまたドキドキとして顔が熱くなるんだ。
こんなにドキドキしちゃうのは心翔だけだよ。
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